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平成26年度施政方針

印刷用ページを表示する更新日:2015年4月6日更新 <外部リンク>

                施政方針を述べる中田市長

「食」がはぐくむ ふれあい共生の都市(まち)~夢 ・ 知恵 ・ 元気あふれる 豊穣の郷づくり~

 

平成26年度施政方針 [PDFファイル/418KB]
 

目次

  • 時代認識と市政理念
    • 飛躍する南あわじの実現にむけて
      • 基盤となる安全・安心なふるさとの推進
      • 市の主要産業の活性化
      • 持続可能な行財政基盤の構築
      • 子育て・教育環境整備への取組み
  • 新年度重点施策
    • 職(食)づくり
      • 行って楽しい交流・感動の舞台【観光・交流】
      • ふやさんか!食づくりの担い手【農漁業】
      • 南あわじブランドの確立【商工業】
    • 人づくり
      • 大好き!ふるさと南あわじ【郷土愛】
      • 一人ひとりが明日を拓くリーダー【教育】
      • 情熱と生きる喜びあふれるまち【生きがい】
    • 安らぎづくり
      • とにかく「いのち」が一番!【安全】
      • 延ばせ健康寿命!【健康】
      • 子どもを産みたい、育てたいまち【子育て】
  • 行財政構造改革の推進
    自立・持続可能な都市(まち)をめざし、高い市民力と効率性が発揮される行財政運営

 第53回南あわじ市議会定例会の開会にあたり、議員各位のご健勝をお喜び申し上げ、日頃のご精励ご活躍に対し敬意と感謝の意を表します。
 本市の平成26年度予算案を提案するにあたり、市政運営に取組む基本的な考え方、主要事業等について申し上げます。

 

時代認識と市政理念

 わが国では、アベノミクスと称される安倍総理の経済成長戦略により経済に明るさが見えてきています。総理は「経済の好循環」実現に全力で取組む決意を表明し、この動きを全国津々浦々にまで広げていくと述べられています。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定し、更なる経済発展へ大きな期待が寄せられています。
 一方、東日本大震災からの復興や、エネルギー政策はもとより、食品虚偽表示や冷凍食品への農薬混入など、食の安全・安心が脅かされる問題が発生しました。更にTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、貿易自由化による価格競争激化への懸念など、農林水産業を取り巻くグローバル環境は予断を許さない状況にあります。政府は、農業全体でみた所得を今後10年で倍増する目標に向けて「攻めの農林水産業」を掲げ、農地の集約・大型化、担い手の確保、6次産業化などを進めるとともに、2018年度をめどにコメの生産調整の廃止に取組むなど農林水産業の成長産業化を推進しています。
 兵庫県では、井戸知事の熱意により各種防災対策や「あわじ環境未来島特区」「食のブランド淡路島」の推進にも力を注いでいただいています。
 また、STAP細胞の発見やIPS細胞を使った再生医療の臨床研究の開始、スーパーコンピューター「京」をはじめ、世界トップクラスの施設が稼動しており、兵庫から未来が切り拓かれようとしています。
 本市は本年度、合併後10年という節目を迎えます。また、新庁舎の完成による分庁舎廃止や市民交流センター開設など行政の仕組みも大きな転換期となるため、市民サービスの提供に万全を期すとともに、若人の広場公園や食の拠点施設をはじめとする大型公共プロジェクトを着実に進め、防災・減災対策と併せて、国、県とも協調しながら備えてまいります。
 行政運営は、施策を着実に形にし、積み上げていくものです。本年は、南あわじ市が更に成長・進化するため「敬天愛人(けいてんあいじん)」の精神で「飛躍する南あわじ」の実現に取組んでまいります。

  • その1には、基盤となる安全・安心な「ふるさと」の推進です。

      飛躍のためには、基盤となる安全・安心な「ふるさと」が必要です。
    発生が予想されている南海トラフ巨大地震をはじめとする地震・津波対策を積極的に進めます。兵庫県が策定した津波防災インフラ整備5箇年計画では、福良港、阿万港、沼島漁港などが重点整備地区に指定されており、県と連携して取組んでまいります。また、老朽化したインフラの改善や長寿命化、安全対策や改良を実施します。
     来年は、阪神・淡路大震災から20年となります。子ども世代への「正しく恐れる」防災教育に力を入れてまいります。
     本市の高齢化率が29%を超えました。高齢者福祉や少子化対策についても喫緊の課題であります。また、消費税率引上げにともなう国の施策に対しても適切に対応し、健康づくりや生活弱者対策、中学生までの医療費無料化などの子育て支援、定住対策などにも取組んでまいります。               

  • その2には、市の主要産業の活性化です。

     飛躍のためには、市の主要産業が元気でなければなりません。
     大学農学部の開設、企業誘致やあわじ島まるごと食の拠点施設の整備、副市長2人体制など、未来への基盤づくりを進めてまいりました。
     生産者や生産者団体等と強固な連携・協働を図り、国や県の支援も得ながら農漁業を活性化させるとともに、魅力ある「ふるさと資源」を最大限に活かして淡路島ならではの新鮮な食を提供する食の拠点施設を着実に完成させます。また、若人の広場公園との連動により交流人口の増大に結び付けます。
     吉備国際大学地域創成農学部の教員、学生による地域に密着した活動を拡大させるとともに、他大学、民間、団体組織をも巻き込んだ新たな仕組み作りに挑戦します。
     また、瓦産業についても、淡路瓦の知名度向上と販売促進やブランド化の展開を支援してまいります。

  • その3には、持続可能な行財政基盤の構築です。

     飛躍のためには、安定した行財政基盤が必要です。
     人口減少・少子高齢社会を迎え、伸びていく社会保障費に対応するため、国では、消費税率引き上げを中心とした社会保障・税一体改革を取りまとめ「年金・医療・介護・子育て、全世代対応型の社会保障」の構築をめざしております。
     本市においても、市民の皆様のご協力により行財政改革大綱に基づく各種計画を実行してまいりました。
     その結果、総人件費や公債費の削減などによる行財政基盤の安定化が進み財政指標も改善してまいりました。今後も油断することなく、中長期的視野に立った行財政の基盤づくりを進めます。
     庁舎一本化による行政組織の更なるスリム化を進めるとともに、市内21箇所に設置する市民交流センターを核に、自立と共生を目的とした市民主導型のまちづくりを支援してまいります。

  • その4には、子育て・教育環境整備への取組みです。

     飛躍のためには、将来世代への投資が必要です。
     教育環境の整備については、耐震化や大規模改修などを進めてまいりましたが、更なる改修や修繕、社会変化に即応した教育環境の充実に取組むとともに、小学生の外国語活動授業の充実など学力向上を支援します。また、小中学生が淡路人形浄瑠璃への関心を高め視野を拡げることができるよう積極的な支援を行います。
     生涯学習の拠点となる三原公民館の改修を行い、社会教育施設の再編計画に基づき適切に運用します。子育て環境の支援を継続するとともに、子ども・子育てニーズを把握し今後の施策に生かしてまいります。

新年度重点施策

 平成26年度の予算編成におきましては、緊急性・必要性を総合的に勘案し国等の経済対策を考慮しつつ、「選択と集中」を念頭に、引き続き収支バランスのとれた予算とさせていただきました。
 それでは、南あわじ市総合計画に基づき、平成26年度の重点施策についてご説明いたします。


  • 職(食)づくり ~夢あふれ、働く場を生み出すまちづくり~
    • 行って楽しい交流・感動の舞台【観光・交流】

       人口減少局面においては、定住人口だけではなく、交流人口の増大が重要です。それには、来訪者の方々に地元のよさに触れ、見て、食べて、体験していただき、第2のふるさととして何度も訪れていただける、地方の魅力の商品化が必要です。
       その核として、「あわじ島まるごと食の拠点施設」を整備します。南あわじの素晴らしいふるさと資源と観光を結びつけ、更にインターネットを含む販売促進や情報の受発信・商談拠点、観光・宿泊・田舎暮らしの総合案内などきめ細やかな情報の発信を可能にし、新たな雇用創出を図るとともに、大鳴門橋記念館改修など、観光施設の充実にも取組みます。
       また、淡路花博15周年記念2015花みどりフェアの開催及び明石海峡大橋の料金値下げを受け、県、島内3市で連携し「淡路島の魅力再発見と誘客キャンペーン」によるPRを積極的に推進してまいります。
       専門部署を設置した鳴門の渦潮世界遺産登録への挑戦を加速します。発足予定の淡路島内の住民や企業が参加する世界遺産登録推進団体とも連携し、一層PRの推進、認知度の向上に努めます。
       若人の広場は、市民や来訪者が「平和を誓う公園」として完成させ、豊かな自然景観を活かした癒しの場を提供します。
       6次産業化の象徴である淡路島バーガーが、ついに全国1位に輝き、更に人気が高まっています。淡路島たまねぎ、淡路ビーフやハモ、タイはもちろん、淡路島3年とらふぐも既にメジャーデビューを果たし、全国的にもニーズが高まっております。それぞれが造り手の寸暇を惜しんでの工夫と努力に産地の強い思いが加わって感動を与える特産品に成長しています。今後も、特産品づくりや体験・交流・学習活動を支援してまいります。
       また、関係団体と連携しながら大阪、西宮での南あわじフェアなど宣伝活動を奨励し、淡路ファームパークイングランドの丘、淡路人形座、うず潮観潮船や灘黒岩水仙郷、名勝慶野松原や広田梅林、海釣り公園など魅力ある集客施設を相互に連携させ、花火大会やだんじり祭、アジア国際子ども映画祭、温泉卓球やロングライドをはじめとするイベント実施と特徴ある市内温泉・宿泊・飲食施設を組み合わせた回遊商品の開発をめざすとともに、文化・スポーツ合宿を推進してまいります。

    そうめん製造体験

    • ふやさんか!食づくりの担い手【農漁業】

       農林水産業は、TPP、生産者の高齢化や後継者不足、安定的な所得の確保など、様々な課題に直面しています。しかし、和食のユネスコ無形文化遺産登録や輸出拡大、医福食農連携など、日本の食や農・畜・水産業にとって新しい未来が切り開かれようとしています。
       「あわじ島まるごと食の拠点施設」の直売所では、消費者と生産者との顔が見える関係を構築し、食の安全・安心や消費者の信頼の確保、マーケットインの発想や販売意欲の向上など生産者のやりがいに繋げます。
       昨年4月に、吉備国際大学南あわじ志知キャンパス地域創成農学部が開学しました。この大学を地域活性化に、より一層活かしていくため、他大学とも連携し、地域創成コンソーシアム組織を立ち上げ、産官学民による連携のもと、農産物などの地域資源を活用した研究成果の具体的事業化をめざしてまいります。
       担い手づくりとして、新規就農者への研修助成、認定農業者や女性農業者への学びの場の提供を継続します。また、地域おこし協力隊制度を活用し、農漁村の活性化に挑戦します。
       特に、本年は、兵庫県で第17回全国農業担い手サミットが開催されます。これを支援し、淡路島内でも現地交流会を開催します。「食のブランド淡路島」を推進するため、灘のビワ復活大作戦や玉葱種子もみじの奨励、玉葱偽装防止対策や米粉利用を促進するとともに、都市地域での販売促進活動によりブランドイメージの定着を図ります。
       集落が抱える農地や経営などの問題を解決し、持続可能な力強い農業の実現に向けて、国の様々な支援が積極的に受けられるよう「人・農地プラン」の作成を強力に支援してまいります。また、農業機械導入の補助や利子補給事業を実施し関係組織の連携による支援を行います。
       あわじ島農協が設立した株式会社アグリアイランドを応援し、大学との連携を視野に入れた人材の育成、後継者の確保、耕作放棄地の解消、過重労働の軽減を促します。
       生産基盤の整備が急務です。ほ場整備では、国衙地区、新田地区他3地区の大規模な県営事業を着実に推進します。新規に平見地区(3池)、大谷池のため池整備に着手するとともに、ため池の一斉点検や大規模ため池の耐震診断を行います。初尾川ダムや上田池など水利施設の長寿命化を進め、オニオン道路整備を引き続き推進し、松帆志知川、福良地区などの地籍調査を継続します。
       畜産振興対策として、和・乳牛の増頭、北海道牛導入や乳質改善への取組みを支援するとともに優良和牛の自家保留や良質な土づくりに欠かせない堆肥の流通を促進してまいります。
       有害鳥獣対策では、進入防止柵の設置や捕獲拡大を継続するほか、新たに、狩猟免許取得を支援します。また、治山事業や林道の修繕、松くい虫防除、農業共済事業を適切に行います。
       漁業は、地域の魅力的な産業の一つです。淡路島3年とらふぐ、ハモやタイ、アジやアマガレイなどのブランド化や漁業資源確保のためのアオリイカの産卵床、産卵用タコ壷投入、タイ、ヒラメ、オコゼ等の稚魚放流事業への支援を継続するとともに、新たにヒジキ養殖等の開発導入を推進してまいります。また、海底耕耘による肥沃な海の再生や離島漁業の再生支援、並型魚礁や築いその設置事業を継続し、沼島漁港や丸山漁港などの施設の機能強化や災害対策に取組む他、海釣り公園の適正な維持管理を行います。 

      ヒジキ養殖事業

    • 南あわじブランドの確立【商工業】

       商工業活性化のため、引き続き商工会の活動を支援するとともに、農漁業をはじめとする他産業との相互連携を重視しつつ、新商品の開発やマーケティング活動を促進します。
       淡路手延そうめんのPRなど特産品の販路開拓や、まちのにぎわいづくりに向けた取組みを支援します。また、中小企業が有する課題解決に向け法律相談等の支援を行ってまいります。
       厳しい状況にある瓦産業については、国内での販売促進活動のほか海外展開を目指す取組みや、高品質化を目指した新技術開発を支援するほか、淡路瓦を使用する屋根工事に対する助成を継続します。
       企業誘致を通じた雇用拡大・経済活性化を引き続き推進するとともに、若者の増加を町の活気に結び付ける取組みとして大学生用共同住宅の整備を支援してまいります。

  • 人づくり ~知恵あふれ、郷土愛が満ちるまちづくり~
    • 大好き!ふるさと南あわじ【郷土愛】

       市内21地区で開設を進めております市民交流センターでは、モデル5地区での運用を検証し全地区に活かし、特色ある地域活動の支援とともに地域コミュニティの醸成を促します。
       県と連携し、小中学生が約500年の伝統を誇る淡路人形浄瑠璃の魅力に触れる機会を増やし、保存伝承に繋げる取組みを推進してまいります。淡路人形協会への支援を継続し、設立50周年を迎える淡路人形座を核に後継者育成や保存伝承に力を注ぎ、老若男女が継承する「だんじり唄」活動を推進し、誇り高き郷土愛を醸成します。また、鳴門の渦潮世界遺産登録運動を契機に美化活動を喚起し、若人の広場公園からは瀬戸内海、鳴門海峡の眺望と四季折々の素晴らしい景色を提供します。他にも貴重な文化財など多くの文化遺産を保護・調査します。

    • 一人ひとりが明日を拓くリーダー【教育】

       無限の可能性を秘める子ども達は、ふるさとの宝物です。教育委員会や教職員、地域指導者と連携し、次世代を育む努力を重ねてまいります。
       小中学校耐震化の平成20年度100%完了をはじめ各施設の整備を進めてまいりました。今年度は、三原中学校の屋内運動場、広田小学校の2期工事や給食センター設備の修繕などを実施します。また、中学校の空調設備整備の設計に着手するとともに、情報教育推進のための機器更新を行い、学力向上を応援する環境整備を進めます。
       いじめ・不登校対策に力を注ぎ、就学援助対策や遠距離通学者に対するスクールバスの確保、トライやる・ウィークや児童の農作業体験、自然学校の実施や道徳教育を推進し、体育文化活動による健全な育成をめざすため選手派遣を支援します。また、学校や地域での命と人権を大切にする学習活動の充実を図ります。
       新たに小学校5、6年生の外国語活動授業の充実のため、外国語活動支援員を導入します。また、アジア国際子ども映画祭の開催や姉妹都市米国セライナ市との交流などにより国際交流を推進してまいります。
       幼児教育の充実を図るため、幼稚園の適正な運営と管理に努めるとともに、辰美校区の4園統合を視野に入れ、施設の環境整備を推進します。
       離島高校生就学支援を継続し、PTAや地域と協力して淡路三原高校のクラス数維持を要請します。
       幅広い年齢層で人々の生涯学習意欲がますます高まっています。公民館や体育施設、図書館や美術館を適切に管理します。講座やサークル活動を支援し、多様な学習機会と交流活動を提供するとともに、図書増冊を推進し適正管理を図ります。また、アスリートや文化人の体験談を通して努力する大切さを感じる「夢・プロジェクト」事業を展開します。 

    広田中学校校舎大規模改造事業

    • 情熱と生きる喜びあふれるまち【生きがい】

       生きがいは、人に必要とされ、役に立つことが喜びとなり生まれます。
       市民の参画と協働を推進するため、まちづくりやボランティアによる社会貢献活動を奨励し、男女共同参画と女性の地位向上を促し、音楽のまちづくりや歴史のまちづくりを支援してまいります。
       滝川記念美術館「玉青館」や淡路人形浄瑠璃資料館を有効利用し、優れた芸術や郷土芸能に触れる機会を充実させるとともに、文化協会や体育協会と連携し、芸術文化やスポーツの振興を図ります。

  • 安らぎづくり ~元気あふれ、住んで快適なまちづくり~
    • とにかく「いのち」が一番!【安全】

       発生が予想されております南海トラフ巨大地震について、昨年末に兵庫県独自の阪神・淡路地域の津波浸水想定が公表されました。それを踏まえ、地域防災計画の見直しを図ってまいります。また、兵庫県が策定した津波防災インフラ整備5箇年計画と連携し福良湾口防波堤などの整備も引き続き検討を進めます。
       これまでケーブルテレビ網による宅内告知放送及び123箇所の屋外スピーカー・サイレン、沼島のヘリポート、避難路整備、小中学校耐震化100%など数多くの「命を守る」ハード事業を行ってまいりました。
       何より一人ひとりが「正しく恐れ」「逃げる」ことが大切です。「自分の命は自分で守る、家族の命は家族で守る、地域の命は地域で守る」、防災訓練や自主防災組織による地域での助け合いのシミュレーション、研修や防災リーダーの養成を推進します。東日本大震災で「釜石の奇跡」と呼ばれましたが、児童・生徒に「正しく恐れる」防災教育を継続していたことで、釜石市の小中学生の生存率は99.8%でした。県の「学(まな)ぼう災(さい)」事業を活用し児童生徒への防災教育にも力を入れてまいります。
       全国瞬時警報システム(Jアラート)やひょうご防災ネット、衛星携帯電話や、CATV網を活用し屋内外に防災情報を発信するとともに、福良港津波防災ステーションを即時活用できる体制を堅持します。
       兵庫県立大学の教員や学生が阿万地区に入り、5年間でまちを活性化しながら災害に強い地域コミュニティづくりに取組みます。
       ハード事業も必要です。福良、阿万地区を中心に「逃げる」ための避難路カラー舗装や太陽光発電による街灯を整備し、避難所の機能強化として、阿万小学校の蓄電池付太陽光発電設備の設置に着手します。
       個人住宅の耐震診断、改修に助成し、淡路広域防災拠点の備蓄食糧や防災資機材備品の即時活用体制を堅持し、避難所の装備充実を図ります。
       災害時は、地元の消防活動が特に重要です。消防設備の維持管理及び活動支援や老朽化した積載車やポンプ自動車、小型動力ポンプの入れ替えを進めます。また、淡路広域消防事務組合の新消防庁舎建設も含めた適正な機能維持及び的確な指導管理に努めてまいります。
       道路や橋梁の老朽化への対応は安全安心なまちづくりに欠かせません。修繕や長寿命対策に取組み、転落防止柵やグリーンベルトの設置を進めます。道路整備では、市5号線や茶屋池線などに継続して取組み、徳長国衙線や上町中西線ほかの整備を進めます。
       また、地域から膨大な要望がある市道の維持修繕や市単独道路改良工事及び河川や排水路整備、高潮対策などを順次実施するとともに河川、港湾の排水機場の維持管理を行い、災害対策や住環境の改善を図ります。
       不法投棄パトロールや海岸清掃など海岸や公園を適切に管理します。また、広田地区市営住宅の建設を進めてまいります。
       地域の治安を守るためには南あわじ警察署との連携が必要です。交通安全対策と併せて不審者情報をメールで送信する「こどもあんしんネット」を活用し、青色パトロールや地域の見守り活動を支援し、防犯灯や街路灯、カーブミラーの設置・維持に努めます。
       また、消費生活センターでの消費生活相談及び消費者啓発体制の充実を図り、消費者の安全・安心対策に継続して取組んでまいります。 

    津波避難路のカラー塗装

    • 延ばせ健康寿命!【健康】

       超高齢社会を課題と考えるだけではなく、高齢者の活躍の場が広がっていると前向きに解釈すべきです。元気で経験豊富な方々に、いつまでも明るく、地域活動の指導者や基幹産業である農漁業等の従事者として地域を支えていただくためにも健康寿命を延ばさなければなりません。
       生きがいをもち健康で長生きしていただくことは、医療費の軽減にもつながります。町ぐるみ健診の受診率向上、生活習慣病等の早期発見と介護及び疾病等の予防に努め、特定健康診査を支援します。健康増進のため、温浴施設の利用を促進し、貴重な知識や経験を次世代に引き継ぐ老人クラブ活動、健康づくり、いきいき百歳体操の推進やシルバー人材センターへの支援を継続してまいります。
       休日応急診療や病院輪番制時間外診療、病床や小児夜間救急体制を堅持し、外出支援サービスや緊急通報システムを適切に運用します。
       健康増進計画及び食育推進計画の見直しや、第6期介護保険事業計画を策定し、国民健康保険や後期高齢者医療、介護保険事業など各種福祉医療事業の適正な運営に努めてまいります。 

    • 子どもを産みたい、育てたいまち【子育て】

       人口減少・少子高齢社会では、子育てや働く環境の充実が不可欠です。子ども・子育てニーズ調査の結果をもとに支援事業計画を策定します。子育て学習・支援センター活動を推進し、学童保育や放課後子ども教室を適切に運営するとともに、延長保育や一時保育を継続してまいります。
       消費税率引き上げに伴う簡素な給付措置及び子育て世帯に対する臨時特例給付措置に適切に対応するとともに、中学3年生までの入院費及び通院費の無料化に取組みます。保育料の第2子以降無料化や在宅子育て支援を堅持し、各種予防接種事業を実施します。また、志知幼稚園の大規模改造工事や施設の修繕を行い、保育環境の充実に努めてまいります。
       障がい児を持つ保護者や一人親家庭、生活保護世帯や一人暮らし世帯等に対する各種支援を行い、特定不妊治療費の一部助成や妊婦健康診査に助成するほか、障がいのある方には、福祉見舞金の支給と併せて第4期障害福祉計画を策定し地域で暮らす支援体制の推進を図ります。
       また、縁結び事業や新婚世帯の家賃補助、通勤通学者の交通費助成を継続し、結婚や定住を促進するとともに、社会福祉協議会を中心とした福祉コミュニティや福祉ボランティア活動並びに民生委員・児童委員連合会の見守り活動を支援してまいります。
       やまなみ苑で適正なゴミ処理を行う一方、ゴミの減量化やリサイクル、花づくりや一斉清掃などの環境美化を推進し、太陽光発電の導入促進、自動車用急速充電器の設置など、あわじ環境未来島構想に基づくエネルギーの持続を推進します。
       下水道事業については、加入促進に全力を注ぎ、市内各地の管渠布設等適正な整備及び管理を行い、水道事業においては、淡路広域水道企業団と連携を強め、安全で安定した水の供給体制を持続してまいります。

     障害福祉計画(第4期)の策定

行財政構造改革の推進

  • 自立・持続可能な都市(まち)をめざし、高い市民力と効率性が発揮される行財政運営

     行財政改革の断行により、多様な公共事業を展開しつつも実質公債費比率等の財政指標は改善してきました。しかし、少子高齢社会により今後も肥大する社会保障負担を見据え、多様化する市民ニーズに応えつつ財政計画の各数値目標が達成できるよう引き続き財源の効率化を図ります。
     また、持続可能なまちづくりには、安全で安心な生活基盤整備と雇用の確保や産業の振興が欠かせません。引き続き「選択と集中」により国の示す施策を最大限に活用し次世代へ繋げる対策を展開してまいります。

  • 市民満足度の高い経営感覚にあふれた行政経営

     現在実施中の閉庁日における住民票等予約交付制度や毎週木曜日の窓口時間延長を継続し、サービスの質の向上を図るとともに、引き続き、総人件費抑制や経費の効率化に取組み、指定管理制度による施設運営の適正指導に努め、事務事業やシステムの改善・改革を推進します。
     新庁舎と市民交流センターの連携による市民サービスの提供に万全を期し、特色ある地域活動への支援と超高齢社会を視野に入れた行政サービスの提供をめざすとともに、新庁舎開庁に併せたコミュニティバスの利便性向上を図ってまいります。 

  • 自立できる行政経営の推進

     地方再生には、財政の健全化はもとより、市民の皆さんや職員一人ひとりが協働し、新たな仕組みや戦略を生み出し実践することが大切です。
     人事評価システムや職員提案制度、国家資格等取得補助を継続し、益々複雑化かつダウンサイジングする時代に対応できる職員の育成に努めてまいります。
     予算編成においては、職員の創意工夫が発揮できる「財源割当方式」と財源配分の重点化を図り、将来世代に大きなつけを回さないよう、適切な起債の発行や積立金の確保を進め、税の滞納事案に厳正に対応し、税負担の公平性を保つとともに未利用財産の売却、民間広告掲載の推進など、財源の確保に努めます。また、電子入札システムを導入し、公共工事における入札・契約事務の効率化を図ってまいります。

  • 市民との信頼関係に基づく協働による行政経営の推進

      地域活性化には、市民やNPO、企業などの協力が必要不可欠です。市民の参画と協働による活動を支援し、広報紙やホームページ、ケーブルテレビなどを通じてタイムリーできめ細やかな情報発信に努めてまいります。また、情報セキュリティ対策を適切に行い、住民情報や行政情報の適正管理と不正アクセスの防止など情報漏洩対策に万全を期します。

 以上の方針のもとに編成した平成26年度の歳入歳出予算は、

  • 一般会計 249億7,000万円(前年比 △4.3%)
  • 特別会計 191億6,686万3千円(前年比 +1.9%) 
  • 内訳
    • 国民健康保険特別会計  65億7,216万1千円
    • 後期高齢者医療特別会計 12億4,108万9千円
    • 介護保険特別会計 46億7,286万円
    • 下水道事業会計 51億9,607万7千円
    • 他10特別会計 14億8,467万6千円
  • 合計 441億3,686万3千円(前年比 △1.7%)です。

  

  平成26年度予算の編成にあたっては、緊急性と優先順位を精査し、財源の効率的かつ効果的配分を行い、市の「将来への布石」となる的確な事業展開が図られるよう、予算を編成いたしました。
  サッカーイタリア・セリエA(あー)のACミランに入団した本田(ほんだ)圭(けい)佑(すけ)選手は、小学校の卒業文集に「いつかセリエAで背番号10をつけてプレーしたい」と書き、「最後に成功すれば挫折は過程となる。だから成功するまであきらめない」と夢を実現しました。目標や夢の実現に向け着実に努力し、前進していくことが大切です。
 松下幸之助氏は『流れのないところ水は腐る。国家といえども、流れのないところ水は腐る。日に日に進化、進歩しなくてはならない。』と言われました。私達も、ふるさと南あわじを愛し、いかに貢献していくか、組織として進化、進歩しなければなりません。このことを肝に銘じ、飛躍する南あわじの実現に向け、議員はじめ市民の皆さんとともに知恵を絞り、汗を流し、協働してまいりたいと思います。
 議員各位には、国の政策や県の改革による影響、市の現状をご理解賜り、慎重審議のうえ、適切なるご議決をいただきますようよろしくお願い申し上げ、南あわじ市平成26年度施政方針といたします。


  平成26年2月25日


                                                  南あわじ市長  中 田 勝 久

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