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更新日:2024年7月1日更新

ふれあい市長室(224)

学ぶ楽しさ日本一ってどういうこと

令和6年(2024年)7月 南あわじ市長 守本 憲弘

 南あわじ市の教育の目標は、「学ぶ楽しさ日本一」です。これは、子供達の学習にも、大人の生涯学習にも共通しています。この意味を、「これまでの教育」と「これからの教育」という図式で考えてみましょう。
 私が生まれた頃は、日本の戦後高度成長のピークでした。欧米先進国に、経済力で追いつき、追い越し、1980年半ばには、世界一豊かな国にもなりました。
 その成長を支えたのが、日本の教育制度です。日本の学校は、質の高い人材を大量に社会に送り出すことで、経済社会の発展を支えました。この時期、日本は、欧米の先進的な技術や社会制度を採り入れ、自国に適用させていくことで、積極的に投資していくこともできました。
 一方、1990年代に入ると、我が国の成長は停滞します。さまざまな要因が指摘されていますが、教育に関わる点で最も重要なことは、「取り入れるべき模範」、「必ず成功する方法」が見えなくなったことです。現代では、日本が世界に先行する「人口減少」、「急速な高齢化」、「地球環境問題」など、模範や手本となる方法がない中で、自分たちで試行錯誤しつつ答えを見つけ出さなければならない時代になりました。
 このような時代に求められるのは、自ら情報を集め、実験し、知識を深める姿勢、周囲を巻き込んで挑戦を続ける人間力、日々変化する技術や知識に対し、生涯学び続ける意欲です。この姿勢や能力を、幼児期、学校、そして地域社会で浸透するために最も重要なことは、「学ぶ楽しさ」を実感し、自ら探求し学び合うことの習慣化です。
 この4月に就任した新宅教育長は、早くから教育改革の必要性を認識し、阿万小学校校長として、取り組んでこられました。私も算数の授業を見学させていただきました。前半は先生による解法の説明があり、後半は、進行係の児童が前に出て、子ども同士の意見交換を進めて行きます。算数の苦手な子どもも指名されて、発表していましたが、とても自然で、温かい雰囲気が漂っていました。この学校は、現在、成績も伸び、不登校もほぼゼロで、障がいを持つ子どもも通常教室で仲良く学んでいます。
 これまで取り組んで来た読書活動推進やふるさと創造プロジェクト(人形浄瑠璃をテーマとする体験授業)、防災教育なども活用しつつ、「学びを楽しむ」子どもたちを育てる学校教育を南あわじ市全体に浸透していただけることを期待しています。​