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更新日:2024年12月1日更新

ふれあい市長室(229)

市長の仕事学から

令和6年(2024年)12月 南あわじ市長 守本 憲弘

  毎年、新規採用職員への訓話として、「仕事とは、成長とは」という話をさせてもらっています。もっと広く職員へ伝えてほしいという声もあり、庁内の電子掲示板で「市長の仕事学」といったコラムを始めました。これまで13のテーマで書いてきましたが、少しさわりを紹介したいと思います。職員から感想や意見も投稿されるようになり、職員の考え方に触れる機会にもなっています。


「仕事とは」
 仕事とは、「人の心を動かして、望ましい方向に動いてくれる人を増やしていくこと。」と考え続けてきました。市長であろうと係員であろうと、あらゆる仕事は、人の心を動かし、意味ある行動をとってもらうためにあります。そのために、伝えるべきことを的確に表現したり、相手が理解しやすい言葉を探したりと、言葉を磨くことも欠かせません。

「成長とは」
 仕事における「成長」とは、業務に対する知識や技能の向上だけでなく、それ以上に仕事に大きな影響を持つのが、周囲からの「信頼」の蓄積です。私自身も不断の学習とともに、手を抜かず職務に取り組むことで、周囲の信頼を勝ち取り、一段一段階段を登るように大きい仕事を任されるようになりました。これが成長のプロセスです。

「熟練とは」
 熟練には、(1)落とし所の見通しを持って、(2)そこに至る適切な手順を考え、(3)正確にその手順を辿る、という三つの要素があります。熟練に至る能力の成長に最も重要なのは「経験」です。一生懸命学ぶということと、実務を「経験」していくことの二つの要素が噛み合った時、人は一気に成長します。組織における人材育成は、周囲、特に上司による背伸び体験の環境づくりと、本人の自助努力を促す仕組みを整えることが重要です。

「感情を表明できる職場」
 感情は仕事のパフォーマンスの上でも大切にされるべきものと思います。メンバー同士の感情が悪化すると、組織活動の根幹である情報共有ができなくなります。それにより、仕事のやり直しが頻発し、パフォーマンスが低下します。また、人の感情に無頓着な組織は、対外的にもトラブルを起こしやすくなります。しかし、日本には、感情を素直に表現することをためらう文化があります。そのため、例えば、ある人が不適切な行動をとった時に、「その行為により私は悲しく感じる」という行為に焦点を当てた指摘でなく、その人のあら探しをして「こいつはけしからん」という人の評価の問題に直結し、本来の問題解決を妨げることが頻発します。
 感情を素直に(事実や評価と分けて)表現できる職場づくりも大切と考えています。

 職員とともに良い仕事ができるように、私自身の思いを乗せながら、対話と行動を続けてまいります。