本文
乳酸菌を活用した畜産環境問題への取り組みについて
畜産環境問題への取り組みについて
南あわじ市では、畜産農家の大きな問題や課題を解決するために、意見交換会や検討会を重ねてきました。これらの会議で問題を絞り込み、具体的な対策や解決策について協議しています。参加者とディスカッションし、比較的取り組みやすく、検証できるものとして、臭気対策(環境問題)における意見がまとまりました。
令和6年度「兵庫TECHイノベーションプロジェクト」によって、乳酸菌を給与することによる排せつ物の臭いの軽減・処理等に関する作業量減を検証しました。
兵庫TECHイノベーションプロジェクトの概要
県内の地域課題や行政課題に対して、技術やノウハウを持った民間事業者から解決策を広く募集し、マッチングさせ、市町・機関等と民間事業者等が協働して実証実験を行うことで社会・地域課題の解決を図るとともに、実証実験を通じて民間事業者等の新しいサービスの開発、事業成長を目指し実施するもの。
協働実証者
株式会社近藤榮一商店
実証内容
9月 | 農家の選定(3軒) |
10月 | 乳酸菌の給与(~2月まで) |
11月 | 状況確認、臭気計で臭気の計測(Before) |
12月 | 状況確認 |
1月 | 状況確認、臭気計測、分析(After) |
2月 | 視察ツアー |
実証結果
(1)臭気の軽減
・臭気計による測定では、Before/After比較で数値の減少がみられた。
・アンモニア検知管では試験区と対照区の比較で圧倒的な差が出た。
・実際に作業している農家の声でも、においの軽減を体感している。
(2)排せつ物
・生糞の量が減少し、堆肥置き場に積んで置ける期間が長くなった。
・切り返し回数は1/3に減少。
・牛床の敷料の追加頻度は激減した。(月1回以上→10月~2月の間追加していない)
(3)牛床環境とコストの改善
糞の質が良くなって、堆肥舎に積みやすくなった
牛床の状態の改善ができた(長靴で歩く際に、歩きやすく、長靴も汚れにくくなった)
戻し堆肥を導入することで、敷料に使用するおがくずの購入頻度が減り、コスト削減できた
実証報告書 [PDFファイル/1.59MB]
今後の課題
今後もより多くの畜産農家に関心興味をもっていただける機会を提供するため情報発信を行っていきます。
飼料等の物価高騰により、経営環境に影響を及ぼすためコスト面とその効果のバランスを考慮し、経済的に持続可能な方法を模索していきます。