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「人生二毛作社会」の実現に向けて―シニア層の仕事・社会貢献継続による健康寿命の伸長-

印刷用ページを表示する更新日:2022年9月26日更新 <外部リンク>

現状と課題

 南あわじ市が抱えている最大の課題は、急激な人口減少と超高齢化社会への対応です。平成27年の国勢調査では、高齢化率が33.5%と約3人に1人が65歳以上となっており、特に年金・医療・介護の分野において「支える人」と「支えられる人」のバランスの悪化が懸念されています。厚生労働白書によると、高齢者を支える現役世代は年々減少しています。1985年には高齢者1人を支える現役世代は6.6人いましたが、2015年は2.3人に減少し、団塊の世代が75歳以上になる2025年には1.9人まで落ち込む見込みです。また、淡路島では労働力不足が慢性化し、特に介譲・観光・保育現場では、募集をしても人が集まらない状況が発生しています。
 この課題を克服するためには、シニア世代に、できるだけ社会を支える側に立ち続けていただき、仕事や地域活動などの社会参加による生きがいや喜びを通じて健康を保っていただくことが必要です。
 一方で、本市の65歳以上の就業率は全国平均や県平均と比べ約2倍と高く、また女性の就業率も54.3%と同平均より約10%高い状況です。加えて、合計特殊出生率1.83は兵庫県下で1位となっています。このことは、『シニアは元気に働き続け、女性の多くが仕事を持ちながら、子だくさんである』という、我が国がめざす20年先を表しており、「一億総活躍社会に最も近いまち」であると言えます。

■人生二毛作社会:高齢者等がこれまで培ってきた豊富な経験や高いスキルを別の分野で活用するなど生涯にわたって活躍できる社会。

高齢者等元気活躍推進事業とは

 南あわじ市では、課題解決につながる地域活動や人手不足の分野でのお手伝いなど、シニア世代の活躍の場を拡大し、健康保持による医療・介護費用の低減や各分野の人手不足の解消をめざし、「高齢者等元気活躍推進事業」に取り組みます。

 平成30年10月から当事業の試行実施を行い、各機関と連携を図りながら高齢者の社会参加の機会を創出します。

 高齢者福祉施設での配膳やベッドメイキング、保育施設での日曜大工や読み聞かせなど、各施設や高齢者の方々の意見を伺いながら、専門職でなくてもできる業務を取りまとめていきます。また、地域活動やイベントの企画運営などにも積極的に参画していただけるよう支援します。

 さらに、活動の担い手の発掘、参加するグループへの支援、事業の周知を図り、参加者の視野を広げるとともに、参加の「きっかけ」の一つとしておもいやりポイント制度を創設します。

 この事業の目的は、シニア層が長く社会を支える側に立ち、その生きがい、喜びを通じて健康を保つことであり、その結果「健康寿命の伸長」が図られます。そして、参加に対する「きっかけ」と継続する「はげみ」としてポイント制度を構築することで、地域経済の活性化にも寄与できると考えています。

高齢者の活躍の場づくり等に関する調査結果

 高齢者の活躍の場づくりに向けて、平成29年度に施設・団体や高齢者の方にアンケート等により調査を行いました。調査結果は次のとおりです。


(1)ニーズ調査結果(聞き取り調査)
 高齢者福祉施設や保育現場をはじめ、社会福祉協議会、シルバー人材センター、吉備国際大学など働く場におけるニーズ調査(聞き取り)を実施し、高齢者が活躍できる活動を洗い出しました。

 
活動分野 活動事例
学校 片付け、校庭の水やり、草引き、日曜大工、外国人講師の生活サポート、防災教育の支援
保育所・幼稚園 配食、片付け、園庭の水やり、草引き、日曜大工、絵本の読み聞かせ、一緒に歌う
高齢者福祉施設・介護施設 配膳、片付け、館内整備・掃除、日曜大工、ベッドメイキング
吉備国際大学 学生に対する就農支援や学習支援、各種学習講座への参加

(2)高齢者へのアンケート調査
 活動の主体となる高齢者に対し、❶本事業の認知度向上❷就労に関する意向❸「(仮)まちづくりポイント」制度の対象活動への参加意向などの把握を目的として、全数アンケート調査(対象者10,764 人、60歳~ 74 歳)を実施。約6割(6,335 人)の人に回答いただきました。特筆すべき内容は次のとおりです。
◆対象活動への参加意向を持つ人が半数
 地域活動やお手伝いなど、「(仮)まちづくりポイント」の対象活動(候補)への参加意向について、意欲があると回答した人が、それぞれ約40 ~ 70%となっており、多くの人が各種活動への参加意欲を持たれていることが伺えました。一方で「参加してみたいが自信がない・きっかけがない」と回答した人が約20%でした。今後活動に参加する「きっかけ」をつくり、参加促進につなげていきます。
◆「活躍の場」の創出が必要  
 全体の約半数(52%)の人が、「活動に参加したいと思わない」と回答し、理由の半数を占めるのが「体力的に難しい」でした。身体的な負荷を考慮した時間・内容で「活躍の場」を創出していくことが重要であると考えられます。
◆その他の意見
 「参加したいが、車が無い」「何かあったときの責任の所在」など、今後検討が必要な意見がありました。
 一方で、「今はフルタイム勤務だが、仕事を辞めてから参加したい」「英会話やパソコンなど、特技を生かしたい」など前向きな意見もいただきました。