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自走式水洗トイレカーについて
南あわじ市では、大規模災害時の衛生的で安全なトイレ環境の確保を図るため、令和2年11月に自走式水洗トイレカーを導入しました。
導入背景と目的
過去の災害において、断水や配管の破裂等により使えなくなったトイレが排泄物で一杯になるなど、劣悪な衛生状態となった例が数多く報告されています。
避難者がそのような状態のトイレを使用したがらず水分等を控えるために、心筋梗塞やエコノミークラス症候群等を発症し死に至る『災害関連死』が大きな問題となっています。災害時の衛生的で安全なトイレ環境の確保は、被災者の健康維持を図る上で非常に重要な課題です。
本市では、これらの課題に対応するため、清潔で明るく、安全な水洗トイレを自走式という形態で導入しました。今後30 年以内に70~80%の確率で発生すると言われている南海トラフ巨大地震のような大規模災害をはじめ、市内のどこで発生するかわからない災害に対して、自走式の機動性を活かし、災害発生後速やかに被災現地に入り、衛生的で快適なトイレを運用します。
車いすやオストメイトの方も利用いただけるなど福祉ニーズに対応した仕様で、誰一人取り残さない南あわじ防災の実現を図ります。
主要諸元
車両
■3tトラックタイプ(全長727cm 全幅223cm 高さ319cm 車両総重量:約5.8t)
■8ナンバー糞尿車登録
■準中型免許が必要(平成19年6月1日までに取得した普通免許で運転可)
車室
■トイレルーム 男性用と女性用(多機能トイレ含む)の出入り口分離
■男性用:小便器1基、大便器2基
■女性用:大便器2基
多機能:大便器1基、オストメイト対応便器1基
※各基洋式簡易水洗、洗浄暖房便座
設備
■垂直昇降機
■おむつ交換台
■ベビーキープ(乳幼児用チェア)
■換気システム
■ソーラーパネル
■バッテリー蓄電(外部電源も接続可)
■貯水(清水)タンク730リットル
■便槽(汚水)タンク1,046リットル
使用回数
■最大1,000回程度使用可能
導入費用
約1,580万円 (緊急防災・減災事業債を活用)
災害時応援協定
自走式水洗トイレカーを所有する自治体が、協定する団体の地域において、地震、風水害その他の災害が発生した場合に、所有するトイレカーを迅速かつ円滑に相互派遣することを目的に令和5年3月、愛媛県宇和島市、長崎県島原市と「自治体トイレカー災害時相互派遣に関する協定」を締結しました。
本協定では被災自治体に自走式水洗トイレカーを相互派遣することで、被災者の心身の健康を支え、衛生面においても安心して利用でき、被災者の大切な命を守ることが期待されます。
全国自治体のトイレカー導入促進に関する総務省への要望
令和5年3月に愛媛県宇和島市、長崎県島原市と協定を締結後、全国の自治体にトイレカーを導入していただき、さらなる支援体制の強化を図ることを目的に、令和5年6月に3市長が総務省を訪問しました。
●要望内容
(1)トイレカー導入に対する緊急防災・減災事業債を含む恒久的な財政措置の一層の充実・強化
(2)自治体へのトイレカー無償貸与制度の創設
(3)自治体トイレカー災害時相互派遣協定の全国ネットワーク構築への支援
災害派遣実績
●令和6年能登半島地震
派遣先:石川県珠洲市 健康増進センター
期間:令和6年1月8日~令和6年5月31日
平時の取り組み
●市内陸上競技大会、駅伝大会、ビーチバレー大会などスポーツイベントで利用
●市が関係する地域の祭礼などに貸し出し
●市の関係する防災訓練での展示
●ぼうさいこくたい2022などに出展
参考資料
【南あわじ市】240108_トイレカー珠洲市に設置 [その他のファイル/323KB]
【南あわじ市】ぼうさいこくたい2022での出展 (1) [その他のファイル/340KB]
【南あわじ市】ぼうさいこくたい2022での出展 (2) [その他のファイル/342KB]
【南あわじ市】ぼうさいこくたい2022での出展 (3) [その他のファイル/310KB]
01_【南あわじ市】トイレカー展示パネル [PDFファイル/630KB]
02_【南あわじ市】トイレカー平面図 [PDFファイル/35KB]
03_【南あわじ市】トイレカー協定 [PDFファイル/1.66MB]