本文
吉永邦治展 ―東洋へのまなざし―
平成25年度特別展 「吉永邦治展 ―東洋へのまなざし―」
会期:平成25年10月1日~12月15日
画家・吉永邦治は、仏教とともに東洋各地に広まった『飛天』、その美しさに魅せられ、その造形芸術を求めて、インドをはじめ、中近東、シルクロード、東南アジア、中国、そして日本と各地の遺跡・寺院などを訪れ、研究を重ね、描き続けてきました。
本展では、20年あまりの年月をかけて、このほど完成に至った大作で、邦治曼荼羅を草創させる世界が十二分に感じられる「土曜日の光景」<チベット高原にて>をはじめ、近年、釈迦を慕って弟子となった十人の高弟の足跡を記すとともに、その風貌、おもかげを鉛筆で一筆ずつ描きおこし、釈迦の心の宇宙観をも連想させる「釈迦十大弟子」、また、さわやかな天空に、天衣をはずませ、やさしさあふれる楽を奏する最新作「香彩虹奏飛天」などを展示しました。
ギャラリートーク
10月6日(日曜日) ・11月10日(日曜日)に玉青館展示室において、吉永邦治先生によるギャラリートークを開催しました。
作品にまつわるエピソードや飛天・釈迦十大弟子などについて、お話していただきました。
【 (左)1階展示室 (右)2階ホール 】
【 2階展示室 】
作家紹介
吉永邦治(よしなが くにはる)
1944年 鹿児島県薩摩川内市に生まれる。
1966年 桑沢デザイン研究所を卒業後、ドイツに遊学。
帰国後、高野山大学に入学し、山本智教博士に東洋美術、仏教・密教芸術を学ぶ。1975年 高野山大学文学部仏教学科を卒業。
絵画は、武蔵野美術大学名誉教授 山口長男氏に師事し、東洋各地の風土や人物を描く。一方、『気まぐれ美術館』(新潮社)の著者 洲之内徹氏と出会い、現代画廊でインド・シルクロード・中国・日本各地を描いた作品の個展を開き、その度に多大なる影響を受けた。
大学時代より「飛天」を求め、インドをはじめシルクロード各地・チベット・中国・東南アジアを旅し、数え切れないほどの「飛天」に出会い、描くとともに、その研究を深め、多数の著書や画集を出版している。
近年は、中近東、南米にも旅を拡げ、新たな創作の境地を見出している。
兵庫県明石市在住。
画歴
【 海外個展 】
- ベルギー:ヘリコン画廊
- ブリュッセル:ローレライ画廊(日本大使館後援)
【 国内個展 】
- 東京:伊勢丹新宿店,現代画廊,緑蔭小舎,能楽堂画廊,美術ジャーナル画廊,中野紅画廊
- 大阪:阪急百貨店うめだ本店,高宮画廊,ギャラリー芦屋,今橋画廊
- 兵庫:花岡画廊,ぎゃるりー神戸,海文堂ギャラリー,北野ガーデン,ヤマトヤシキ加古川店,画廊船場
- 京都:京都書院ヴァージョンG
- 広島:福屋美術画廊,広島国際ホテル,イマヰ画廊
- 愛媛:ギャラリーリブ・アート
- 福岡:大丸アートギャラリー
- 鹿児島:山形屋画廊
【 主な展覧会 】
- 神奈川:宝積寺テラノホール
- 大阪:大阪大谷大学博物館,小坂奇石記念館
- 兵庫:加古川市立松風ギャラリー
- 和歌山:高野山霊宝館
- 岡山:高梁市成羽美術館
- 鹿児島:田中一村記念美術館
【 作品収蔵先 】
- 神奈川:明王山宝積寺
- 京都:京都府立医科大学
- 島根:はすみリゾートセンター
- 徳島:鯖大師多宝塔
- 愛媛:坂村真民記念館
- 鹿児島:川内歴史資料館,吉野デッサン館,南溟館, 玉龍山福昌禅寺
- ニューヨーク:大菩薩禅堂金剛寺
【著書】
- 『飛天の東漸』共著(日本美術工芸社)
- 『飛天』(源流社)
- 『白と赤の十字路』(京都書院)
- 『東洋の造形』(理工学社)
- 『吉永邦治素描作品集1~3』(京都書院)
- 『飛天の道』(小学館)
- 『風貌釈迦十大弟子』(向陽書房)
- 『日本文化のかたち百科』共著(丸善)
上記ほか
※すべての画像の無断転載を禁じます