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プレコンセプションケアとは
“プレコン”(プレコンセプションケア)は、若い男女が妊娠や出産の希望を含む自分たちのライフプランを考えて、日々の生活や健康に向き合うこと。
早い段階から必要な知識を得て健康的な生活を送ることで、未来の子どもの健康の可能性を広げ、将来の健やかな妊娠や出産にもつながります。
今は妊娠や出産を考えていなくても、プレコンセプションケアを実施することで今の自分がもっと健康になって、人生100年時代の満ち足りた自分(well-being)の実現につながります。
引用:プレコンはじめの一歩(兵庫県ホームページ)<外部リンク>
※ プレ(pre)は「~の前」、コンセプション(conception)は「妊娠・受胎」のこと
引用:プレコンセプションケアノート(国立成育医療研究センター)<外部リンク>
なぜ、いまプレコンセプションケアが必要とされているのか?
リスクのある妊娠の増加
若い女性のやせと肥満の増加、出産年齢の高齢化などから、リスクの高い妊娠が増加しています。
不妊の悩みの増加
女性の卵子は、出生後は新たに作られることがなく、質・量ともに減少し続けます。そのため、30歳を超えると妊娠率が徐々に低下し、35歳を超えると明らかに低下すると言われています。
【図: 女性の各年齢における卵子の数の変化】
Baker TG(1972) Gametogenesis, Acta Endocrinol Sullpl 166;18-42を基に厚労省で一部改変
加齢による妊娠するチカラ(妊孕性)の低下は、男性でも起こります。女性と比べてペースはゆっくりですが、35歳を過ぎると精子の質が徐々に低下するといわれています。
不妊の原因は、男性側、女性側、あるいはその両方にある場合があります。
WHOの報告によると不妊原因の男女別の割合は、女性側に原因がある場合は約41%、男女共に原因がある場合は24% 、男性側に原因がある場合は24%、原因不明が11%と報告されています。つまり、不妊症には女性と男性どちらにも原因があり、その割合は半々なのです。
「生理不順を放置していた」「生理痛を我慢していた」等が将来の不妊の原因になることがあります。男女ともに、妊娠や出産に関する正しい知識を得て行動することが、将来の不妊のリスクを減らします。
人生100年時代
子どもを持つ選択をする、しないにかかわらず、若いうちからの健康的な生活習慣の積み重ねにより健康は培われていきます。
自分が思い描くライフプランが実現できるよう、プレコンセプションケアを始めましょう。
できることから始めましょう
若い頃から自らの健康管理ができるようになることは、生涯にわたって「質の高い生活」を送ることにもつながります。
「健康でいるための生活習慣」をご紹介いたします。ぜひ、今日からできることを始めてみませんか。
適正体重を維持しよう
女性のやせ(BMI18.5未満)は、貧血や将来の骨粗しょう症の原因だけでなく、低出生体重児等、将来の赤ちゃんの健康にもかかわります。また肥満(BMI25以上)また、肥満は生活習慣病の原因になる以外にも、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群のリスクになります。また、男性の肥満も不妊のリスクを高めるとの報告があります。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) 適正体重:BMIで18.5以上 25未満
(例)身長159cm、体重60kgの場合 60÷1.59÷1.59=23.7
栄養バランスを整えよう
食事の量を極端に減らしたり、偏った食事は貧血や肌荒れなどの原因になります。
毎回の食事で主食・主菜・副菜がそろうように意識して食べるとバランスが良くなります。
また、女性は日頃から葉酸を意識して摂取しましょう。
適度に運動をしよう
プレコンでは、1週間に「150分」の運動を目安にしています。
普段運動をする習慣がない方は、今より毎日10分長く歩いたり、早く歩く、また自宅で筋トレやヨガなどで身体を動かすなど、できることから始めてみましょう。
禁煙、受動喫煙をさけよう
タバコはがん・心臓病をはじめ沢山の病気を引き起こします。また、男女ともに不妊症のリスクが増加し、特に妊娠中の喫煙や受動喫煙は流産、早産、低出生体重児を引き起こす可能性があります。赤ちゃんが生まれた後も乳幼児突然死症候群のリスク因子になるなど、広い範囲に影響を及ぼします。また、パートナーや周囲の人からの受動喫煙も同様です。
アルコールは控えめに
妊娠中にお酒を飲むと、アルコールは胎盤を通って赤ちゃんにも影響し、胎児性アルコール症候群の原因になります。「この量なら大丈夫」というものは確立していませんので妊娠を考えたときからアルコールは控えるようにしましょう。妊娠中は禁酒が原則です。
ストレスと上手につき合おう
まずは、自分自身のストレスに気づくこと。
そして、ストレスと上手に付き合うため、自分に合ったコントロール方法を身につけることが大切です。ストレスが強く、心身に不調を感じる時には、早めに専門の医療機関等を受診し、相談することをお勧めします。
定期的に健康診断・がん検診をうけましょう
南あわじ市では、19歳以上の方を対象に町ぐるみ健診を実施しています。歯周疾患口腔がん検診等も受けることができます。
また、20歳以上の偶数年齢の女性を対象に子宮がん検診を実施しています。
ぜひ、ご利用ください。
知っておきたい性感染症のこと
若い人の間で性感染症が増えています。感染しても無症状のことも多く、治療に結びつかないことがあります。また、パートナーがいる場合は、パートナー間で予防・治療に取り組むことが大切です。
予防接種(ワクチンのことを知り接種を検討しよう)
風しんワクチン
抗体を持たない妊娠初期の妊婦が風しんウイルスに感染すると、赤ちゃんが心疾患、難聴、白内障などの障害を起こす先天性風しん症候群という病気にかかって生まれることがあります。予防のためには、妊娠する可能性のある女性は事前に予防接種を受けておくことが大切です。
南あわじ市では、妊娠を希望する女性や妊婦の同居家族等を対象に風しん予防接種の費用の一部を助成します。
子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)
子宮頸がんの原因となる、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンです。
小学6年から高校1年に相当する女子は「定期接種」の対象です。
接種は無料です。公費による接種の対象です。
対象の方には個別に案内しております。予診票等をなくされた方は健康課へご連絡ください。
HPVワクチンは男性も接種することができます。男性は「任意接種」の対象です。
公費負担はありません。ワクチンの種類により3回接種で5万~10万円程度かかります。
男性がHPVワクチンを接種し感染予防を行うことで、女性をHPV感染から守り、子宮頸がんの予防につながります。また、中咽頭がん、肛門がん、尖圭コンジローマなどの原因と考えられているHPVへの感染予防が期待できます。かかりつけ医やお近くの医療機関へご相談ください。
- 定期の予防接種(南あわじ市ホームページ)
- HPVワクチン接種について(兵庫県ホームページ)<外部リンク>
- ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)と HPVワクチン~(厚生労働省ホームページ)<外部リンク>
不妊・不育に関する相談
南あわじ市では、年齢及び回数制限等で保険適用外となる不妊治療費に悩む夫婦に対し、経済的負担の軽減を図るため、助成金を交付します。
体調管理アプリ「ルナルナ」
南あわじ市では、女性のライフステージに合わせた健康管理を目的とした体調管理アプリ「ルナルナ」の有料機能である「ファミリーコース」を無償で利用できる連携協定を株式会社エムティーアイと締結していますので是非ご活用ください。
プレコンセプションケアについて もっと詳しく知ろう
- 「プレコンセプションケア」について(兵庫県ホームページ)<外部リンク>
- 「プレコンセプションケアセンター」(国立成育医療研究センター)<外部リンク>