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ふれあい市長室(217)

印刷用ページを表示する更新日:2023年12月1日更新 <外部リンク>

淡路島を美食の島に!

令和5年(2023年)12月 南あわじ市長 守本 憲弘

 10月18日から、世界一の美食の街と言われるスペイン・サンセバスチャンを視察してきました。この街がどのようにして食で世界に轟く観光の街になることができたのか、その過程や秘訣を探り、街づくりに生かすことが目的です。
 サンセバスチャン市役所では、観光局長や議会議員に話を伺いました。200年前に観光の街として生きるという政治決断をし街づくりを進める中で、王族の避暑地に選ばれたため、上流階級の避暑地として観光客を魅了する上質なサービスを発展させてきたことや、1970年代には地元の若いシェフ達がフランスの「ヌーベル・キュイジーヌ(新しい料理)」運動に触発されて、競い合ってスペイン流の「新しい料理」を研究し、やがてそれが三星レストランの誕生に結実していったことなど、長い歴史を感じるお話を聞くことができました。
 また、毎年100名の学生が入学する料理大学(バスククリナリ センター)も視察しました。政府、県、市等が共同で設立したこの学校では、料理の基礎からレストランの経営に必要な知識までを学びます。授業では、著名なシェフによる料理実習やメニュー開発の指導もあります。今回の視察では、学内のレストランで2年生が調理した料理をいただく機会を得ました。接客は1年生がしてくれますが、緊張気味で初々しい印象でした。また、大学が運営する料理大学研究機関(LABe)では、感覚的であった美食を最先端技術を用いて分析・研究しています。
 バスク美食倶楽部も大変興味深いものでした。この地域では客を自宅でもてなすことを主婦が好まないため、男性が会員制クラブを作り、そこに友人を招いて自らの料理でもてなす習慣ができたとのこと。会員によるイベントも定期的に開催され、メンバー同士でレシピを教え合ったりバスク伝統の味を継承したりと、料理技術向上の場ともなっているとのことでした。また、外国人観光客向けにバスクの伝統料理を体験できる民営の料理教室もあり、地域全体が美食の街を支えていることを実感しました。
 一行は、この街の素晴らしさを堪能しましたが、一方で、淡路島の四季折々の多彩な食資源、自然、歴史、文化などの観光資源では決してこの地域に引けをとっておらず、行政、産業界、地域が心を一つにして取り組んで行けば、淡路島をこの地に負けない美食の島にしていくことも夢ではないという認識を共にし、スペインをあとにしました。
 今後も、南あわじのふるさと資源を生かしたまちづくりを進めていく決意を新たにできた視察となりました。