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鳴門海峡の渦潮のしくみ

印刷用ページを表示する更新日:2020年2月19日更新 <外部リンク>

鳴門海峡の渦潮のしくみ

 鳴門海峡は、兵庫県南あわじ市と徳島県鳴門市との間にあります。

淡路島周辺

播磨灘(瀬戸内海)と紀伊水道(太平洋)を結ぶこの海峡は、鯛やわかめをはじめとした海の幸に恵まれています。

幅は約1.3キロメートル、深さは最深部で80メートルにも及びます。

渦の大きさは春と秋に最も大きくなり、これは世界最大級の大きさになるといわれています。

鳴門の海峡の潮流はなぜ速い?

海には潮の満ち引きがありますが、これは月と太陽の引力によって水の高さが変わるために起こります。

月と太陽による引力

海水が引っ張られ、水位が最も高くなる満潮と、水位が最も低くなる干潮が約6時間の周期で交互に繰り返されます。

しかし、鳴門海峡ではその特殊な地形のため、満潮と干潮が同時に隣り合わせで存在するという不思議な現象が起こります。

太平洋側から満ちてきた潮は、北上する過程で紀伊半島・淡路島・四国にぶつかります。

太平洋側から満ちてきた潮は大阪湾へ

淡路島と四国の間が幅わずか1.3キロメートルと狭いため、その後、大部分の潮は大阪湾へと流れ込みます。

大阪湾に行き渡った潮は、明石海峡を通って、まだ水位の低い播磨灘へと流れます。

明石海峡を通って播磨灘へ

満ち潮が淡路島南岸に到着してから瀬戸内海が満潮になるまで、約5~6時間かかります。

瀬戸内海が満潮を迎えるとき、淡路島の南岸ではすでに干潮を目前に潮が引きつつあります。

水は高いところから低いところへと流れますので、今度は瀬戸内海に集まった大量の海水が水位の低い太平洋側へ出ようと、鳴門海峡に押し寄せ、一気に流れ込みます。

満潮から干潮へ一気に流れ込む海水

鳴門海峡を挟んで、瀬戸内海側は満潮、太平洋側は干潮となり、境目では海面の高さに落差が生じます。

この高低差は、最大で1.5メートルにもなります。

満潮と干潮の境目

この落差が日本一の速さの潮流を生み出しています。

鳴門の渦潮ができるまで

隣り合わせになった満潮と干潮の高低差で生じた潮流は、中央部を流れる速い流れと、陸地側の遅い流れとの速度差で回転力が生まれます。

渦の発生に大きく関わる潮の流れ

渦の誕生には、他にも様々な要因がありますが、これが主に渦潮の発生要因となります。

鳴門海峡の渦潮は、常時ぐるぐると渦巻いているわけではありません。

1日のうちわずか数時間、満潮と干潮の前後の時間帯にのみ見られる自然現象です。

播磨灘が満潮時には、鳴門側から見て左から右に潮は流れます。

しかし約6時間後、播磨灘が干潮になると潮の流れは反対になります。

こうして満潮と干潮で、大鳴門橋の両側に交互に渦潮が生まれます。

渦潮が発生している海の中はどうなっている?

水中の渦潮の様子

こちらが水中の渦潮の様子です。

白い泡は渦潮が引き込んだ海面の空気です。

渦潮の強い吸引力が白い竜巻を生み出し、またその一方で引き込んだ水を吹き上げる力も存在します。

海水が湧いている様子

こちらは、水の塊が上がってくる様子です。

引き込む力と吹き上げる力、この2つの力を生む渦潮が豊かな海を支える源となっています。

豊かな海と言えば、海の栄養分の多くは川から流れ込みますが、そのままでは海中に沈んでしまいます。

それをまんべんなくかきまぜてくれるのが渦潮です。

海の栄養分は渦潮によってかきまぜられる

これによりプランクトンが増え、それを餌とする小魚、そしてさらに大きな魚が育まれます。

さまざまな生物が豊かに育まれる環境

このように、鳴門海峡の渦潮は特殊な地形によって生まれ、今も豊穣の海を育んでいます。

動画

 

注意事項

これらは、本格的な調査を実施していない時点での情報であるため、随時内容を訂正・更新する場合があります。

※動画の無断転用は禁止いたします。

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このページの内容は、「鳴門のうず潮」世界自然遺産登録推進協議会が作成したDVDに収録されています。

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