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防護柵には、金網柵や電気柵、ワイヤーメッシュ柵など、さまざまな柵があります。設置場所にあわせて、適切に設置しましょう。
柵の種類 |
金網柵 |
ワイヤーメッシュ柵 |
電気柵 |
---|---|---|---|
設置しやすさ |
△ |
〇 |
◎ |
維持管理のしやすさ |
〇 |
◎ |
△ |
衝撃や噛み切りへの強さ |
◎ |
〇 |
〇 |
柵の下からへの進入に対する強さ |
◎ |
〇 |
△ |
耐久性 |
◎ |
〇 |
△ |
重量があるため、柵の整備に労力が要りますが、整備後の維持管理(草刈り等)は、電気柵より負担が少なく、集落で整備する大規模の柵に適しています。
ただし、柵の網目が大きいものだと、幼獣が入り込む恐れがあります。柵の低い部分については、網目が10センチ以下の方が望ましいとされています。
(1)金網柵(ロール状)
ワイヤーメッシュ柵と比較すると、ロール単位となるため物が大きく、柵を張る作業は大変ですが、アンカーピンで固定することで地際からの侵入に対して強いのが特徴です。
(2)ワイヤーメッシュ柵
金網柵(ロール状)と比較すると、柵を張る作業は容易となりますが、起伏のある場所では、隙間が出来てしまう恐れがあります。
シカやイノシシなどは、新しいものを見ると鼻で確認する習性があります。その修正を利用し、柵に鼻が触れたときの痛みから、柵の内部に入らないよう学習させるものです。
電気柵の設置は、金網柵より軽量であるため、整備が容易であることが利点です。ただし、雑草が伸びて、柵に触れるとそこから電気が流れてしまうため、日ごろの草刈りが必須です。
一度、「ここの柵は大丈夫」と覚えられてしまうと、それ以降は鼻で確認することはなくなるため、電気柵の効果はなくなってしまいます。鼻以外に触れても、効果は薄いからです。
また、電気事業法により、電気柵の設置の際に守らなければいけない基準が定められています。電気柵を整備する際は、以下の点を遵守してください。
対象の動物によって必要な防護柵の高さが異なりますので、注意が必要です。
また、柵の外側が高台になっていると飛び込まれる恐れがありますので、高台から十分に柵を離して設置する、上にネットを追加する等の対策が必要となります。
(1)シカの場合
(2)イノシシの場合
防護柵の整備後、普段からの定期点検も重要です。隙間や破損個所から、シカやイノシシは侵入してきます。以下の項目を中心に点検し、メンテナンスを実施しましょう。
集落柵点検マニュアル/兵庫県森林動物研究センター [PDFファイル/1.12MB]
(1)ワイヤーメッシュ柵、金網柵の場合
動物は日々、柵の隙間を押し広げています。支柱や金属網の歪み及びずれがないか、定期的に確認します。特に地面との隙間は、イノシシに掘り返されたり柵を押し上げられたりしやすい箇所ですので、入念に点検しましょう。
(2)電気柵の場合
放置され伸びた雑草が電線に引っ掛かると、漏電等が生じ、電圧が弱まると動物が電気ショックを感じなくなりますので、注意が必要です。日頃からテスターを使用し通電状況を確認するようにしましょう。4000V以上の電圧が望ましいとされています。
一度「この電気柵は大丈夫」と学習してしまうと、効果はなくなってしまいます。24時間通電させることが大切です。
(3)草刈りの重要性
柵の内側だけでなく外側も草刈りをすることが重要です。
外側にスペースがあることで、日々の点検がしやすくなるだけでなく、見通しが良くなることでシカやイノシシが警戒し、柵に接近しにくくなります。
柵の外側に身を隠せる茂みがあることで、シカやイノシシは警戒することなく近づいてくるため、防護柵が破られる原因となります。
集落で整備する防護柵について、資材費の助成があります。
※個人での申請は出来ません。