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ふれあい市長室(86)

印刷用ページを表示する更新日:2018年4月1日更新 <外部リンク>


みんなで守り・育てる地域公共交通をめざし


平成24年11月 南あわじ市長 中 田 勝 久


 現在、市内を巡回するコミュニティバス「らん・らんバス」を運行しておりますが、昨年度約7万人の方々にご利用いただきました。しかし、いろいろな方々からご意見やご心配をいただいております。
 コミュニティバスに着手した経緯は、高度成長期を経て、自家用車を利用する方が急増し、路線バスの利用者が激減しました。民間運行事業者の経営は悪化し、事業者へ行政が多額の補助金を出し続けておりましたが、路線廃止に至るようになりました。その後、学生さんや高齢者などの交通弱者を何とか支援するためにコミュニティバスを市が独自で事業化いたしました。県下でも特に充実した内容であると国・県の担当部局から評価をいただいております。
 事業化の目的は、単に現在の交通弱者を救うためだけではなく、今後急速に進む高齢化を見据えて実施したものであり、また、事業化するためには短期間ではできず、許認可に係る期間や、コース・便数・財政的負担などを実証しながらより良い対策を探る必要性があります。
 現在、南あわじ市の75歳以上の人口は16%を超え、65歳以上は28%台、60歳以上になりますと37%余りを占めています。一方15歳以下を見ますと約17%と非常に少なくなっており、約55%の生産年齢人口(15歳から64歳)の方々が年少者及び高齢者を支えている人口構成となっています。
 仕事を持つ家族の方が常に交通弱者の方を送迎することは困難な状況になってまいりました。
 併せて、高齢者の交通事故が増加傾向にあり、ご家族の方が運転免許証の返上を高齢者の方に求めていることが多くなっています。
 高齢化が進むにつれ、交通弱者がより一層増加してまいります。高齢者の方や障がいがある方々の移動手段を確保することが行政としての最も重要な役割の一つです。しかしながら、この移動手段の確保を含め、地域公共交通を安定した持続可能なものとしていくためには、行政だけではなく、地域住民、事業者等が、それぞれの役割により協働で「みんなで守り・育てる地域公共交通」の『マイバス意識』の考えのもと、身近な生活のための移動手段となるよう取り組んでいく必要があります。
 らん・らんバスが総合的にスタートして5年が過ぎようとしています。今年度において、地域公共交通検討委員会の皆様に様々なご議論をいただき、「南あわじ市生活交通ネットワーク計画」に関する答申をいただきました。その答申を踏まえ、平成25年4月から新しい試みに挑戦します。財政的には、国・県より約8割の支援があり市は2割の負担で済みます。
 今後とも引き続き最善の方法を見い出してまいりたいと考えておりますので、市民の皆様におかれましては、ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。


生活公共交通のイラストです