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東日本大震災は人ごとではない
平成23年5月 南あわじ市長 中 田 勝 久
東北、関東地方を中心に日本の歴史上最大といわれる大地震及び大津波が発生し、想像を絶する甚大な被害が生じました。その悲惨さを目の当たりにし、涙する光景が目に焼きついております。被災地の皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになりました方々に衷心より哀悼の意を表します。
阪神淡路大震災を経験した私たち南あわじ市民にとっての防災対策は命を守る対策として非常に重要です。想定外や想像以上という言葉が飛び交い、未だ行方不明者が多数いらっしゃいます。市役所職員が被災し災害対策本部が機能せず、庁舎そのものが被害にあい住民基本台帳が消失するなど、市民の安否確認さえ困難な基礎自治体もありました。
東南海・南海地震が30年以内に60パーセント~70パーセントの確率で発生すると言われています。合併後、ケーブルテレビ網による宅内告知放送及び112か所の屋外スピーカー・サイレン、屋外監視カメラ、沼島のヘリポート、小中学校耐震化100パーセント、保育所の耐震化、備蓄食糧や資機材の整備など、多種多様で巨額の投資を行ってまいりました。しかし、ハード事業には限界があり、最終的には市民一人ひとりの心構えが大切です。
「自分の命は自分で守る。家族の命は家族で守る。地域の命は地域で守る。」を基本理念とし、個人、家庭、地域が防災意識を高く持っていただき、災害発生時には迅速に対応し避難することを忘れてはなりません。
また、自主防災組織を中心に地域で助け合い冷静に行動できる体制づくりを早急に進め、点検する必要があります。高齢者や障害者、子どもや寝たきりの方など、誰が誰を助けどう逃げるか、避難所や必要資材、備蓄はどこにあるか、細かなところを確認しなければなりません。
市役所として最も重要で積極的に進めてきた防災対策を再度検証し、特に津波の心配が大きい福良・阿万・灘・沼島・阿那賀・丸山・湊・松帆地区自治会をはじめ、重責を担う消防団や自主防災組織と共に、防災マニュアル、避難路等を見直し、迅速に確実に機動できるよう努力を重ねてまいります。市民の皆様におかれましては地域の絆を強め、是非とも大災害を想定した個々の行動計画を積極的に組み立てていただきますようお願いいたします。