ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地トップページ > 市長の部屋 > ふれあい市長室 > 平成30年度 > ふれあい市長室(152)

本文

ふれあい市長室(152)

印刷用ページを表示する更新日:2018年8月13日更新 <外部リンク>

有害鳥獣の話

平成30年6月 南あわじ市長 守本 憲弘

 南あわじ市の大きな課題の一つとして、有害鳥獣対策があります。現在、日本全国で、鳥獣による農業被害の拡大が報告されていますが、一次産業が盛んな当市にとっても深刻な問題です。捕獲したイノシシ
 南あわじ市東部から南部にかけての諭鶴羽山系周辺については、以前よりシカ・イノシシが生息していましたが、奥山林に食物がなくなったことや里山林の放置等の理由から人里周辺に多く出没することとなり、農産物へ多大な被害を与えています。
 また、南あわじ市北部から西部にかけては、十数年前からイノシシの生息域が年々拡大し、シカについても、今まで生息していなかった倭文地区や賀集地区等の市内北部から西部の山系へ生息域を拡大しています。このため、従来出没していなかった地域でも被害が見られるようになりました。
 当市では、鳥獣被害の大きい地区を対象に、地元猟友会による有害鳥獣捕獲班を5班編成し、捕獲を進めています。ここ3年程は、平均して、シカは年間約1,700頭、イノシシは約2,000頭と、他地域と比較しても相当精力的に活動してもらっています。
 また、防護柵についても、集落単位での有害鳥獣の侵入防護柵の設置と管理を行うなどの被害防除対策の推進を行っており、防護柵の設置延長は180kmを超えています。また、新技術等について情報を収集し、住民の皆様への防除方法等の情報提供や知識の普及啓発にも努めています。
 この結果、水稲共済における鳥獣被害額は年々減少傾向にあるなど、当面の被害の拡大は防いでおり、猟友会のメンバーからは「捕りにくくなった。数も減ったのでは」といった声も時には聞かれるようになっています。しかしながら、生息個体数、生息域が非常に大きく、実態が正確に把握できないこと、捕獲従事者も高齢となってきており、今後更なる人員の減少が予測されること、近年では、野生猿による果物等の被害地域も拡大傾向であることなど、不安は尽きません。
 今後とも、捕獲と防護柵整備を対策の2本柱として推進するとともに、講習会受講や狩猟免許取得にかかる経費助成など、狩猟者の人材育成および担い手の確保に努めます。また、より長期を睨んで、住民の協力も得つつ、広葉樹の植樹活動など野生動物の生活の場づくりや、近隣地域の森林伐採によるバッファゾーン形成を進め、人と動物の住み分けができるような方策を具体化していきたいと考えています。