2017年5月19日更新
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弥生時代のお金を発見!
弥生時代の古銭が出土しました!
八木地区で行った入田稲荷前(いりたいなりまえ)遺跡の遺跡範囲確認調査で、弥生時代に日本に入ってきた中国のお金”貨泉(かせん)”が3枚出土しました。
古銭の向かって右に「貨」、左に「泉」の文字があります。
この貨泉は、奈良~鎌倉時代の土器を含んだ土の層から出土しました。中世の遺跡や備蓄銭(甕などに大量に入れられた古銭)からも貨泉は見つかることがありますが、入る割合は全体の0.01%もありません。3枚重なって出土したことから、近くの弥生時代の穴などにあった緡(さし・約95枚の銭を紐でまとめたもの)の一部が流れこんだと考えられます。
兵庫県内での貨泉の出土は7遺跡10点になりますが、弥生時代の出土はこの入田稲荷前遺跡と姫路市鍛冶屋遺跡の2遺跡しかありません。また、南あわじ市内では、阿万東町所在の北田(きたんだ)遺跡で中世の柱穴から1枚出土しています。
淡路島は松帆銅鐸や古津路銅剣など、さまざまな青銅器が発見されてきました。入田稲荷前遺跡は、弥生時代最大級の鉄器工房である淡路市五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡や中国鏡片が出土した淡路市舟木遺跡と同じ時期であり、青銅器から鉄器へと移り変わるときの畿内への玄関口となる淡路島の重要性を後押しする遺物です。
貨泉とは、中国の新(しん)の王莽(おうもう)という人がA.D.14~40年の短い期間に造った貨幣で、年代決定に重要なものさしとなります。日本では弥生時代後期初め~古墳時代初めに出土します。交易品やアクセサリー・青銅器の材料・貨幣としての使用などさまざまな説がありますが、現段階では用途はわかっていません。